皇居東御苑花だより

令和6年5月17日
写真 説明
ネジキ
○ネジキ(ツツジ科)Lyonia ovalifolia var. elliptica
日当たりの良い山地に生え、高さ5~9mほどになります。幹がねじれることから、名付けられました。若枝は赤みを帯びます。5~6月、前年枝から、白色のつぼ形の花を吊り下げます。
ザクロ
○ザクロ(ミソハギ科)Punica granatum
西アジア原産で、高さ5~6mになります。6月頃、直径約5cmの朱赤色の花が開きます。果実は球形で果皮が厚く、10~11月、熟すと不規則に裂けて淡紅色の種が現れます。種の外皮は甘酸っぱい味がします。
ミヤマウグイスカグラ(実)
○ミヤマウグイスカグラ(実)(スイカズラ科)Lonicera gracilipesa var. glandulosa
山野に生え、よく分枝して高さ1.5~2mになります。ヤマウグイスカグラの変種で、枝葉、花冠に毛が密生します。春、淡紅色の花を1~2個咲かせます。6~7月、直径約1cm、楕円形の果実は、赤く熟し、甘味があり、食べられます。
センダン
○センダン(センダン科)Melia azedarach
暖地の海岸近くに自生し、街路樹や公園などにもよく植えられています。高さ5~15m、大きい物は30mにもなります。初夏に淡紫色の花が咲きます。
ゴンズイ
○ゴンズイ(ミツバウツギ科)Euscaphis japonica
山地に生え、高さ5~8mになります。5~6月、枝先のよく分枝した花序に、直径4~5mm、淡黄緑色の花を多数咲かせます。袋状の果実が赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れます。
ウツギ
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var. crenata
山野に普通に生え、生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬から7月、直径1~1.5cmの白い花が密に咲きます。幹が中空で、空木(ウツギ)の名があります。
サイハイラン
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中の偽鱗茎から直立した30~40cmの花茎に、淡紫褐色の花が10~20個、下向きに咲きます。和名の采配蘭は、花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
コアジサイ
○コアジサイ(アジサイ科)Hydrangea hirta
山地や丘陵の林下に生え、よく分枝して高さ1~1.5mになります。若枝は紫褐色を帯びます。6月頃、枝先に小形の散房花序をつけ、直径約4mmの淡青緑色の花を多数咲かせます。
カラタネオガタマ
○カラタネオガタマ(モクレン科)Michelia figo
江戸中期に中国から渡来し、暖地の神社や庭に植えられ、高さ3~5mになります。5~6月、直径約3cm、縁は淡紫色を帯びた黄白色の花を咲かせ、バナナのような香りを放ちます。
ガマズミ
○ガマズミ(ガマズミ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月に、枝の先端から小さな白花を多数咲かせます。9~10月に実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
ヒメコウホネ
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。
○アサザ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ヤマボウシ
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え、高さ5~10mになります。6~7月、白い花びらのように見える4枚の葉の中心に小さな花を多数咲かせます。果実は直径1~1.5cmの球形となり、10月頃、赤く熟し、食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁